田中投手の美しい「early cocking」動作
リアライン関節トレーニング理論 蒲田先生
「写真から、将来問題を引き起こす可能性のある「ほころび」が存在している。」
「肩甲骨挙上(肩上がり) = 肘下がり」
筋組織の癒着に基づく筋の緊張は、物理療法やストレッチでは改善できない。
また、どのような協調性トレーニングでも制御できない緊張である。
写真で見る田中投手は、early cockingにおける肩甲胸郭関節の適合性を悪化させていると思われる。
「癒着のリリースを含めた頸椎および肩甲胸郭関節のリアラインが必要である。」
筋組織の癒着に基づく筋の緊張は、潜行的に進行する問題である。
「上位頚椎の回旋可動域を最大限に利用できる頭位に変更することで問題は軽減される。」
肩甲骨挙上(肩上がり) = 肘下がり」
筋組織の癒着に基づく筋の緊張は、潜行的に進行する問題である。
「上位頚椎の回旋可動域を最大限に利用できる頭位に変更することで問題は軽減される。」
田中投手の投球動作「early cocking」から将来問題を引き起こす可能性のある「ほころび」が見て取れる。
頸椎左回旋にともなって右上位胸郭は前方へ、右肩甲骨は内側へ移動。肩甲挙筋と第1/第2肋骨との癒着は誰にでもあり、投球側の肋骨の前方への移動は必然的に肩甲挙筋を緊張させ、肩甲骨を挙上させる。
さらに、投球側の上位胸郭はフォロースルーで肩甲骨によって前下方に押し込まれるので、投球側の肩甲骨と上位胸郭は一体となって下制していく。
これら更にearly cockingにおける肩甲胸郭関節の適合性を悪化させる。
肩甲骨挙上(肩上がり) = 肘下がり こういう変化は徐々に進行し、いつのまにか若い時のイメージ通りの投球フォームには戻せなくなってしまう。
おそらく症状出現のはるか以前から存在し、潜行的に進行する問題。痛みが出てからの対症療法や損傷した組織への外科的な処置はこういった発症前の問題は変えられない。
癒着に基づく筋の緊張は物理療法やストレッチでは改善できず、またどのような協調性トレーニングでも制御できない。
上位頚椎の回旋可動域を最大限に利用できる頭位に変更することで問題は軽減されるが、そういう頭位で投げる日本人投手は少ない。
必要なのは癒着のリリースを含めた頸椎および肩甲胸郭関節のリアラインである。
そういう観点でこの写真を見ると、田中選手の頸椎と右肩甲胸郭にはリアラインが必要だと言える。
蒲田先生コメント
「すべてにおいて100点満点ということはありえないと思います。
更に厄介なことに、身体に負担の小さいフォーム≠ハイパフォーマンス という場合もあります。
三角筋の癒着、肩甲挙筋の癒着、胸郭の変形や可動性低下などは誰にでもあります。
多少はフォームに問題があっても、組織損傷に至らないようにするのが予防であり、それらを出来る限り100点に近づけるのが再発予防だと思っています。
田中投手の写真を使ったのは、決して悪い例という意味ではなく、理想に近いフォームであったとしても、将来問題を引き起こす可能性のある「ほころび」が存在していることを言いたかったのです。」
楽天 田中 将大 「WBCに向けて、早期の体作りと投球で体中の関節などが悲鳴を上げていた。」
トレーナー談
「肩甲骨挙上(肩上がり) = 肘下がり」
NYY田中投手の投球動作アーリーコッキングの状態を3Circle理論で考える。
このことを3Circle理論で考えると上肢に作られる円の動きによるエネルギー伝達が、筋組織の癒着によりエネルギーの流れが悪くなる。
このことにより、下肢で作られる大きな円のエネルギー伝達が阻害されて、右腕の3重振り子運動に伝わるエネルギーが弱まる。
伝達エネルギーの不足により、しならない右腕を筋圧力で球を強く抑えるようになる。
3重振り子ボール(作用点)、手首、肘(力点)、肩(力点、支点)
筋の求心性収縮、遠心性収縮と3重振り子が、右腕のしなり速度を上げる。
エネルギーの流れが悪くなり腕が振れなくなると意識的に筋を等尺性収縮させて体の位置エネルギーを使って伝わらないエネルギーを補おうとする。
この事が、投球バランスを乱しコントロールの乱れ、ケガなどを誘発すると考えられる。
蒲田先生が指摘した「肩甲骨挙上(肩上がり) = 肘下がり」は、投球エネルギーの流れが阻害された投球状態と言える。
エネルギーの流れが阻害されていなければ、筋の求心性収縮から移行するアーリーコッキングのポジションでの腕は、3重振り子の原理により肘は上に跳ね上がってくる。